A/N=Prose

おおむね言いたいだけ。

【122】PS4「バイオハザード7」:バイオ「らしさ」の定義

・長らく積んだままだった7ですがRE:2が出て、買って、更にRE:3まで出たご時世にいつまでも放置もどうかと思い、重い腰を上げて一気にプレイしました。
・というわけでプレイレビューです。

・「これぞホラーゲーム」という話を聞き及んでいたので、さぞ面白かろうと思っていたのですけれど、確かに「ホラーゲーム」ですね。
・あまり「これぞバイオハザード」と聞かない事を察するべきでした。
・シリーズ1作目を彷彿とさせる恐怖感はあったものの、同時に嫌悪感や不快感もかなりのもので「これぞバイオハザード」と言うのは憚られるなと。

・舞台は湖沼地帯に家を構えるベイカー邸。
・行方不明になった妻からのビデオメールを受け取った主人公イーサンが、そこを訪れる事から始まります。
・なんやかんやあって、その家はすでに常軌を逸した場所へと変貌していました。
・で、グロテスクなのはいいんですよ。
・虫がウジャウジャと出てくるのも、まぁ余程の虫嫌いでも無ければ大丈夫です。
・でもですね、控えめに言って登場人物みんな好感を持ちにくいのが頂けない。
・敵となるベイカー家の皆さんみんなクレイジーなんです。
・まぁ、理由があってそうなっているのですけれど、そんなのはこっちの知った事では無いですし、知ったら知ったで落ち込むような事情でもありますし、なんとも救われません。

・協力者となる謎の電話の主ゾイにしてもそうです。
・大事な事を伝えずに情報を小出しにしてくるのでげんなりします。
・それも理由があっての事なんですけれど。
・それに何より、主人公が使命感や正義感に溢れているわけでもないのが一番きつい。
・ただの一般人だからリアル、と言えばそうなんでしょうけれど、何かに付けて「マジかよ!」「クソ!」などの罵詈雑言ばかり。
・とある実際の実験によると、悪口は、言われた人だけではなく聞いていただけの周囲の人のパフォーマンスも落ち、更には言った本人すら影響を受けるという結果もあるそうです。
・なので恨み辛みを口にしてばかりの主人公にげんなりするんですよね。

・敵はクレイジーな言動をしてくる、協力者は非協力的、主人公は愚痴っぽい。
・プレイしている最中のストレスが半端ないです。
・ただでさえ閉塞した場所をあっちこっち走り回らされて敵に怯えながら弾丸の心配をするストレスがあるのに、登場人物揃って好感が持てないとなると報われる時が無いんですよ。
・開放感や達成感は勿論の事、心の拠り所が無いんです。
・それが恐怖感だけではなく嫌悪感や不快感の正体というわけで。

・さて、このゲームは「バイオハザード」でしょうか。
・あるいはナンバリングである必要性はあるんでしょうか。
・いえ、勿論シリーズものがいつまでも代わり映えしなければユーザーから見放されてしまいますし、変革が必要だとは思います。
・「バイオハザード」のナンバリングとしてではなく、「ホラーゲーム」としてなら良く出来ているのも事実ですし。
・ナンバリングを付ける付けないで売上に影響するという会社側の事情も分からなくも無いですしね。
・ですが、それらを踏まえた上で、一応のクリアをした身として、ナンバリングじゃなくて良かったと思います。
・もう少しこねてリベレーションズとして出したなら納得したかも知れません。

・2種のDLCをクリアして、ようやく物語として決着が付く作りなのもあまり感心しませんしね。
・しかも、従来のバイオハザードに近いクリス編に加え、まったく違う格闘モノになっているジョー編の2つという散らかり具合。
・従来のシステムをやりたいのか、やらせたいのか、まったく新しいものをやりたいのか、やらせたいのか、何なんですかね。
・まさかクリス以上の脳味噌筋肉マッチョが出てくるとは思わないじゃないですか…。
・そのDLCにしても本編にしても、ボス戦が楽しくないのも難点です。
・大抵は狭い場所で戦うのに操作性の問題で非常に泥臭い戦いになりがち。
・慌てると無為にガードしたり走ろうとしてしゃがんだりアイテムを使おうとしてカーソルを動かし過ぎて使えなかったり。

・システムとしても、最高難易度をクリアして初めて無限弾を手に入れられるのは何故なんです。
・最高難易度をクリアした後に無限弾を使う場面がどこにあるんです。
・せいぜい序盤を再プレイして無駄撃ちしまくって飽きて終わりでしょう。
ミニゲームも、いちいち酷く殺されるブラックジャックだったり、いちいち酷く殺される脱出ゲームだったり、爽快感も何も無い。
・まったく何から何までチグハグなゲームです。

QTEで即死するのが増えてきた4以降、6で極まってげんなりしたものですけれど、それとはまた違ったベクトルで6を超えてげんなりするとは思っていませんでした。
・いえ、良く出来たゲームだとは思いますよ。
・何百万本と売れたそうですし、多くの人が求めていた「正解」だったのでしょう。
・ですが、自分は「バイオハザード」のシリーズの中として一番低い評価を付けます。
・恐怖感と同時にあまりにも不快感が強すぎる作品でしたから。

・さぁ、みんなもバイオ7をプレイして家族になろう!
・ジャックおじさんかわいそうってなるから!