A/N=Prose

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【048】漫画「高台家の人々」1巻/感想:駄作と断ずる程でも、傑作と持ち上げる程でも無く。

学があり、家柄も良く、美男美女揃いの高台家の三人兄妹。
世間には秘密にしているけれど、実は、ある特殊な能力を持っていて…。
テレビドラマ化された漫画「ごくせん」や漫画「デカワンコ」の作者が描く、すこしふかしぎ系ラブコメディ。

兄妹は、他人の心の声が聞こえる能力を持っています。
しかも映像付き。
なので、面白い事を空想する人であったり、心から誠実な人などに惹かれます。
もちろん、相手は心を読まれている事は知らないので、美男や美女を前にして、それはもう色んな事を考えるわけで。

長兄、27歳の光正が気になったのは、29歳の地味めOLの木絵。
ぱっと見は普通極まりない彼女だけれど、頭の中は空想でいっぱい。
会社にテロリストが襲ってくるとか、取引先の個性的な見た目の人はランプの精だとか、あの人には使い魔が居るんじゃないかとか、まるで思春期の少年少女のよう。

その空想を、光正のように面白いと感じる事が出来れば、この作品も面白いんでしょうね。
あるいは、空想を見て人知れず笑っている光正たちを微笑ましいとか。

この作品、面白い漫画ランキングのようなものがあって、そこに載っていたのを見て初めて存在を知りました。
上位に位置していて、それで読んでみたのが駄目だったのかも知れません。
期待しないで読むように心掛けているつもりだったんですけれど、正直、大したことは無かったです。
確かに、面白くない事は無い、とは思うんですけれど。

1巻を読んだ限りでは、登場人物たちが対等では無いのが気になりました。
地味めOLの平野木絵は、高台光正が実は他人の心が読めるのかも、と薄々気付くような場面があります。
でも、まさかね、という風な捉え方で終えているので、光正とも普通に付き合っていくわけで。
でも、光正の妹は、木絵が能力に気付いている節があるのに光正と付き合ってるなんて驚きだ、なんて考えています。

いやいやいやいや。

光正にしろ、妹の茂子、弟の和正にしろ、それぞれ付き合っている相手、気になっている相手に、能力の事は話していません。
能力を隠したまま交際するのは、どうにも卑怯な気がします。
コメディなんですから、その辺り重く考えすぎる事は無いんでしょうけれどね。
木絵の空想は面白いなーハハハ、程度に軽く受け止めるのが、楽しむ秘訣でしょうか。

それなりには読める作品ですし、またテレビドラマ化されてもおかしくは無いですけれど、続きを買おうという程ではありませんでした。
当然、人にオススメするつもりも無く。
気楽なコメディを読みたいのなら、それはそれで、はい。