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【015】漫画「地球戦争」3巻/感想:古き良きジブリにも通じる冒険譚

19世紀の大英帝国、その華やかな世界とは別に、孤児院の強欲院長に搾取されて生きざるを得ない少年。
持ち前の知恵と反抗心で対抗しようとしたが、折檻を受けて床下へと閉じ込められてしまう。

次に少年が目を覚まし、家の外に出た時、世界は一変していた。
圧倒的な暴力を撒き散らす、巨大な三本足の機械。
地獄と化した大英帝国で、少年は少女と出会い、空想科学冒険譚の幕が上がる。

今風の絵柄では無く、なんとも古臭い感じを受ける上、古いけれど上手いという程でも無く。
でも、空想科学という、良い意味で古臭い物語に、ふしぎと合っているいう。

主人公のオリバーは、世を拗ねた少年だけど生き残るための鼻が利く。
ヒロインのアリスは、理想主義な少女だけど気高さと優しさを持つ。
そんな二人が、時にいがみ合いつつも被保護者の坊やを連れて、崩壊世界で生き残るために協力する。

勿論、ただの少年少女では、超科学力の侵略者には歯が立たない。
そこに現れるのが、知恵とカリスマを併せ持つ青年商人のグレイヴ。
そして、孤児院の仲間たち。

主人公たちには壮大な目的があるわけでは無いものの、転がるように進む物語は先が読めず、ついつい続きが気になってしまう。

物語の基幹は、どこか「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせますね。
いや、「未来少年コナン」の方が近いですか。
少年少女に、謎のロボ、理想世界を夢見る大人。
どっちにしても主人公はあそこまで真っ直ぐ熱血少年というわけでは無いですけれどね。

余程に絵柄が受け付けないのでも無ければ、広く漫画好きにオススメできる作品ですよ。
気になったなら、是非。
カバー裏、カバー下などにオマケ漫画などは無いタイプなので、Kindle版でも大丈夫です。